起業、創業、開業の違いとは?それぞれの言葉の意味を解説
ビジネスを始める際に使われる「起業」、「創業」、「開業」という言葉には、それぞれ微妙な違いがあります。これらの言葉はほとんど同じ意味で使われることが多いですが、実際にはニュアンスや使用される場面に違いが存在します。本記事では、これらの言葉の違いと具体的な意味について詳しく解説します。起業や開業を考えている方は、ビジネス用語の正しい使い方を理解しておくことが重要です。
起業は“新しく事業をおこすこと”
起業の基本的な意味
起業とは、新しく事業をおこすことを意味します。一般的には、新しいビジネスやスタートアップを始める際に使われることが多い言葉です。創業とほとんど同じ意味として使われることが多いですが、未来のことを語る際に特に頻繁に使われるのが特徴です。
未来志向の「起業」
起業という言葉は、これからチャレンジする時などに多く使われます。例えば、「これから起業しようと思っている」や「来年、起業する予定だ」といった表現です。未来の話をする時に高い頻度で使われるのが起業の特徴です。また、ベンチャー企業やスタートアップなどのビジネスにおいても、起業という言葉はよく使われます。創業よりも挑戦といった意味で使われることが多いと言えるでしょう。
創業は“新しく事業を開始すること”
創業の基本的な意味
創業も新しく事業を開始することを意味しています。起業とほとんど同じ意味として使われることが多いですが、創業という言葉は過去の事柄に使われることが多いです。そのため、最初に事業を始めた人のことを会社では「創業者」と呼びますが、「起業者」とは呼びません。
創業の使用場面
創業という言葉を使う際、その企業の形態は問われていません。法人でも個人事業主でも、事業をスタートした場合は創業に当てはまります。創業は過去のことについて話す際に高い頻度で登場します。例えば、「〇〇年に創業した」や「創業〇〇年」といった使い方です。未来について話す際には「来年、創業する」というよりも「来年、起業する」という方が一般的です。
開業は“新しく事業を開始すること”
開業の基本的な意味
開業もまた、新しく事業を開始することを意味します。ただし、起業や創業に比べて商売色が強いのが特徴です。飲食店やショップなどの店舗をオープンする際に多く使われる傾向があります。
開業の具体例
個人事業主が事業をスタートする時には、税務署に「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(開業届)を提出する必要があります。一方で、法人としてスタートする際には「法人設立届出書」を提出しなければなりません。この届出書の名称の違いからも、個人事業主などで自分の事業を立ち上げる場合に開業という言葉を使う傾向が強いことがわかります。
商売色の強い「開業」
開業は、特に飲食店やショップ、サロンなどの店舗をオープンする際に使われることが多いです。このような商売色が強い事業に対しては、起業や創業よりも開業という言葉が適しています。
起業、創業、開業の他にも似た意味で使われる言葉
起業、創業、開業の他にも、これらと似た意味として使われる言葉があります。それが創立、設立、独立です。以下では、これらの言葉の意味と違いについても見ていきましょう。
創立は“会社・団体を立ち上げること”
創立は会社や団体を立ち上げることを意味しています。設立とかなり近しい意味として使われることが多い言葉ですが、設立とは違い創立は法人という組織を初めて立ち上げた場合にのみ使われます。親会社が子会社を立ち上げる場合には「設立」を使用します。
設立は“会社を立ち上げること”
設立は会社を立ち上げることを指しています。法律に基づき認証を受け、書類を作成し法人として登記をした日のことを設立日と言います。登記したのが10年前であれば「現在、設立より10年」、来年登記する予定であれば「来年、会社を設立する」という表現になります。
独立は“他には頼らず一人で立つこと”
独立は、他には頼らず一人で立つことを表します。例えば、「会社から独立して個人事業主としてスタートした」や「独立して会社を設立した」など、これまで所属していた所から離れ、一人立ちする際に使われることが多い言葉です。法人はもちろん、個人事業主にも当てはまります。
使い分けにルールはある?
それぞれの言葉の意味や違いを見てきましたが、使い分けには具体的にどのようなルールがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
時系列によって使い方が異なることも
起業、創業、開業の3つの言葉に大きな違いはありませんが、ニュアンスや時系列によって使われ方が違います。
起業や開業というのは時系列に関係なく使われるのに対し、創業は「創業〇〇年」や「会社を創業した」などと過去について使われることが多いといえます。先ほどお伝えしたとおり、過去の話か未来の話かによって使い分けられることがほとんどです。
開始する事業によっても違いがある
開始する事業によっても言葉の使い方の違いがあるといえます。
開業は、個人事業主が事業を開始する時や、ショップや飲食店、サロンなど店舗をオープンする際に使われることが多いのに対し、起業や創業は新しいビジネスやサービスをスタートさせることに使われるのが多いという違いがあります。
個人事業主を含むかという違いも
起業や開業、独立という言葉は個人事業主にも使われるのに対し、設立、創立は登記を完了した法人にしか使用しないことも大きな違いといえるでしょう。
普段過ごしている中ではあまり詳しく違いを考えることもないかもしれませんが、起業や創業、独立・開業などを検討している場合は、言葉の意味やニュアンスの違いを理解しておくことをおすすめします。
今回は、起業や創業、独立・開業をする場合に覚えておきたい“言葉の意味や違い”をご紹介しました。起業や独立を考えているのであれば、ビジネス用語は勉強しておくべきです。細かい意味を知ることで、いざ自分で事業をおこす際に間違った使用法をせずにすむでしょう。
まずは情報収集から
「起業したい」「独立・開業したい」という方はまず、今回お伝えしたような言葉の意味の違いをはじめ、情報収集をすることからスタートするのがおすすめです。「どうやって情報を見つけたらいい?」と悩んだり、「必要な情報がどこかにまとまっていたらいいのに」と感じたりする方も多いでしょう。
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まとめ
本記事では、起業、創業、開業の違いについて詳しく解説しました。これらの言葉は、微妙なニュアンスや使用される場面によって使い分けが必要です。起業は未来志向の挑戦を意味し、創業は過去の事業開始を指し、開業は商売色が強い店舗のオープンに使われます。
また、創立や設立、独立という言葉も非常に似た意味を持ちますが、それぞれの言葉が持つ特定のニュアンスや用法を理解することが重要です。これから起業や創業、開業を考えている方は、ビジネス用語の正しい使い方を理解し、適切に使い分けることで、成功への第一歩を踏み出しましょう。